自分への給与はどう処理するの?
個人事業を始める人に、非常に多い勘違いがあります。
それは、、
「自分への給与」
を、法人のように「給与」と処理してしまうことです。
個人事業においては、「自分への給与」という考えは、ありません。
収入から、もろもろの経費を控除して、残った金額があなたの取り分という考え方になります。
「じゃ、普段の生活費はどうするんだよ?!」
…となると思いますが、もちろん、事業用口座から抜き出して、生活費に充てても構いませんが、その場合、経費科目は「給与」ではなく、「事業主貸」になります。
お。
「事業主貸」という、見慣れない勘定科目が出てきましたね。
これは何か、って言いますと、
個人事業主が、事業のお金を個人的に使用したときに使う勘定科目なんです。
個人的に使用したものは、事業の経費になりませんよね。
なので、科目としては、「事業主に貸している=事業主貸」となるわけです。
その逆として、「事業主借」という勘定科目もあります。
これは、個人事業主が、個人のお金を事業用に出したときに使う勘定科目です。
「事業主から借りている=事業主借」となるわけです。
どういう時にこれらの科目を使うのかといいますと、、
たとえば、趣味のゴルフのクラブを買って、事業用の口座から振り込んでしまったような場合、
仕訳は、「事業主貸/普通預金」となります。
プライベートで使うお金を個人事業主に貸した、、っていう意味ですね。
また、仕事で使う文房具を自分の(プライベートの)財布から払ったような場合、
仕訳は、「消耗品費(または事務用品費)/事業主借」となります。
本来、事業用口座から支払うべき費用を、個人事業主から借りた、、っていう意味ですね。
慣れないと、最初のうちは、
「ん?貸し?借り?どっちだ?」
って、混乱するかもしれません(笑)。
プライベートな「自分」も、事業の「自分」も、どっちも「自分」ですので、
「ど、どっちから、どうよ…?」
みたいに、ワケわからなくなるかもしれません。
ですが、個人事業をやる上で、非常に大切な考え方なのですが、
「事業の自分」と「プライベートの自分」
をしっかり切り替えて考える必要があるんですね。←これ重要!
あ、補足ですが、この事業主に貸したり、借りたりした資金は、その都度、動かす必要はないですからね。
「いや、借りた金は、キッチリ返さないと。。」
と思うのは結構なことですし、そうしてくれても問題ないのですが、いちいち資金の出し入れをやってたら面倒くさいですよね。
なので一般的には、その都度資金移動をして解消したりはせずに、「事業主貸」、「事業主借」、それぞれの金額を貯めていって、期末に経理処理(仕訳)で処理します。
具体的には決算時(12/31)に、、「事業主貸」の金額と「事業主借」の金額の差額を、「元入金」という科目に反映させます。
(↑この処理の説明については、長くなりますので、別項で。。)
間違いやすいのですが、
事業用口座でついた利息は、「事業主借」で処理してください。
利益(雑収入とか)で処理すると、その分、利益(事業所得)が増えて税金も増えてしまいますので、ご注意くださいネ!